European review for medical and pharmacological sciences誌に当社の技術を用いた疼痛緩和の症例報告が掲載されました。

当社の技術で製造したヒト脂肪由来幹細胞培養上清の局所投与が、疼痛緩和に有効であることが報告されました。
疼痛は、怪我や内臓の不調を伝える大事な現象ですが、過度の疼痛は苦痛であり、Quality of Life(QOL)の低下につながります。
この度、当社の細胞培養技術で調製されたヒト脂肪由来間葉系幹細胞培養上清(以下、「培養上清」といいます)による、疼痛の治療の結果が、医療法人みき会サンフィールドクリニックから報告されました。間葉系幹細胞培養上清は、間葉系幹細胞と同様に、疼痛に対する有効性が期待され、多くの研究論文が報告されています。本報告において、肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)や変形性膝関節症、腰痛症などを含む男女16名に対して、2-5 mLの培養上清を、痛みを感じる部位に投与しました。最大の痛みを10として、痛みの強さを0−10で示すNRS (Numerical Rating Scale)という検査において、顕著な痛みの減少が示されました。痛みの軽減は培養上清を投与した15分以内で観察され、その鎮痛作用は少なくとも4週間持続しました。これは、様々な難治性疼痛に対する新たな治療法の可能性を示す臨床報告となります。

M. Sano et al., Effect of human adipose-derived mesenchymal stem cell conditioned medium on musculoskeletal pain. Eur Rev Med Pharmacol Sci 2022; 26 (5): 1570-1578